アメリカで投資:REITってなに?メリットとデメリット

REITをポートフォリオに組み込むことにしたので、不動産投資やらREITやらについて勉強をしています。

今読んでいるのはこの本▼▼

難しそうな本だったので、少し読み始めるのに勇気がいりましたが、不動産も含め、Alternative Investmentと呼ばれる一つ一つのアセットクラスについて、簡単に順序良く説明してくれていて、役立ちました。

この本のおかげで、REITって何?という初歩的な質問と、大体のメリットデメリットについては把握できました。

ポイント
リスクの特性が企業の株と違うので、分散投資に有効

私の知りたかったことは、この1文に集約されているのですが、REITの良いところや気を付けた方がいいところを簡単に以下の通りまとめてみました。

目次

REITで不動産投資!のメリット

まとめるとこんな感じ

  1. 家賃収入は比較的安定していて予想を立てやすい
  2. 賃貸契約は比較的長期間なので安定収入が見込める
  3. ビジネスモデルに目新しさはないがリスクが少ない
  4. REITは地理的リスクも不動産のタイプ別リスクも分散できる
  5. ハードアセットに比べてリバランスも楽

収入の予想を立てやすい

上記メリットの①と②は不動産投資全般に言えることなのかもしれませんが、家賃収入というのは事前にどのくらいの期間でいくら入ってくる…というのが決まっているので、収入の予想が立てやすく、リターンの予想がつきやすいアセットクラスです。

なので、いち企業の業績によって左右される株価や配当よりも、不動産収入は心強い収入になるかと思います。

業績が良かろうが悪かろうが、家賃収入は発生しますし、通常契約は数日~数か月単位ではなく、年単位ということから、安定した収入が見込めるという理屈は理解できました。

そしてREITは実際に不動産のオーナーになることなく、その恩恵を受けられる魅力的な金融商品です。

昔ながらのビジネス

これも重要で、不動産ビジネスとは、不動産の所有者である大家さんが、借りたいといってきた人に持っている物件を貸し付けるというビジネスモデル。

目新しさは全くないものの、ずっと脈々と続くビジネスモデルなので、革新的な何かに脅かされるようなリスクも少ないとのこと。

さらに不動産ビジネスに共通して言えることですが、今後もなくなることのないビジネスかと思います。

分散投資するにあたってREITとは

仮に不動産のアセットクラスを増やしたいのなら、ハードアセットも選択肢に上がると思いますが、物件を購入するにあたって、地理的に分散させようと思ったら何棟も何軒も物件を所有しなければなりません。

不動産ビジネス初心者にはかなりハードルが高いです。

また、不動産タイプも分散させたいとなると、住宅や商用物件、ホテルに病院に…一体どのくらいを「分散できている」とするかにもよりますが、私にはとても手を出せません。

もちろん、リスクに見合ったリターンがあるからこそ、不動産王というのは誕生するのかとも思いますが、実際の物件を所有するというのは、個人的に余裕をもってアーリーリタイアしたい!というのが目標な私に向いている投資法だと思えません。

そんな中、REITならパッシブ運用されていて手数料もそこまでかからず、地理的にも分散できているETFもありますし、物件のタイプも分散できているものもあります。

実際の物件をいくつも所有するのはかなりハードルが高いですが、REITで分散が実現できるなら使わない手はありません。

不動産アセットクラスのリバランスについて

もともと分散投資とは、色々なアセットクラスが、それぞれに独立して上がったり下がったりするように分散投資をしますが、その一環で、一方が上がり一方が下がり…と続いた場合には、リバランスも必要になってくる場合もあります。

その時に、ハードアセット(現物不動産)を所有していた場合はリバランスがとても大変ですが(不動産の売買をしなければならないので)、REITならペーパーアセットなので、売買もスマホワンタップでできるところも良いところです。

REITで不動産投資!のデメリット

反対にREITで不動産投資をする際のデメリットとは何でしょうか。

  1. REITの配当金はQualified Dividendsではない
  2. 手数料が高い場合がある
  3. 海外REITと税金の問題

REITの配当金と税金の問題

まず、現在の法律にて、Equity REITから払い出される配当金(Dividends)はQualified Dividendsには分類されないので、Ordinary Incomeと同じ所得税(アメリカの給与所得に課せられる所得税)が課せられるというところ。

Ordinary Incomeの所得税率は、Qualified Dividendsに課せられる税率よりも格段に高いので、これは配当金生活を見越して配当金の積み上げを行っていくにあたって、気を付けなければならない点かと思います。

ただ、Roth IRAやHSAなどの非課税口座(もしくは401kなどの課税繰延口座)にて運用する場合は問題にならないので、やはり配当利回りが高めのREITは、非課税口座での運用が向いているかと。

アーリーリタイア達成後は、Ordinary Incomeの所得税率が大幅に下がる予定なので、そしたらREITを課税口座で運用しても、あまり大きな影響はないですね。

1年あたりの入金限度額や、収入によって利用できたりできなかったりなど、いろいろな縛りはありますが、アーリーリタイアを実現するまでは非課税口座/課税繰延口座にてREITを運用するようにします。

手数料について

REITの手数料ですが、アクティブ運用のファンドの場合、やはり手数料が高いです。

実際に現物不動産の売買や運用にかかる手数料を考えると、REITの手数料が高くなるのは仕方がないことなのかもしれませんが、ファンドの手数料が高くなると、その分総リターンが低くなってしまうので、気を付けなければいけないですね。

最近の米国株式ETFの激安な手数料から比べると、REITのETF手数料はかなり高く感じるので、少し気を付けて投資先を選びたいところです。

海外REITの場合の課税は?

海外REITの場合、配当金がアメリカ国外の収入とみられ、配当金に対して現地で課税される場合があるとあります。

また、その場合、IRSへタックスリターン(確定申告)をする際、Foreign Tax Creditとして申請することもできますが、仮にIRAや401kなどの非課税/課税繰延口座で運用していた場合は、それができないとのこと。

そうすると、結局現地で課税された分が取り戻せなくて、その分総リターンが低くなってしまうということ。

どちらにせよ、タックスリターンが煩雑になってしまうのは嫌なので、私は海外REITからは距離を置きたいと思います。

REITのメリットデメリットまとめ

今回、少しREITをかじってみて

  • ポートフォリオにREITを組み込むのはリスク分散にも有効
  • 節税のため配当利回りが高めのREITは非課税/課税繰延口座にて運用が得策
  • 地理的にも不動産タイプの分散を心がける
  • 手数料が比較的低いパッシブ運用ファンドを選ぶ
  • 海外REITはタックスリターンが煩雑になる可能性があるので米国内REITのみにする

以上のことを踏まえてREITをポートフォリオに加えたいと思います。

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