【アメリカで家を買う】ミシガン州の固定資産税…夏と冬2回の理由とアンキャップ【2026年版】

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ミシガンの固定資産税について、あまり日本語で情報がなかったので、少しまとめてみることにしました。

家を買うまで、私は固定資産税を「毎年決まった額が来るもの」くらいにしか思っていませんでした。実際に請求書が届いてみると、年に2回、しかも金額が全然違う。日本の感覚のままだと、まず請求のかたちで混乱します。

目次

ミシガンの固定資産税のお支払いは夏と冬2回

夏の固定資産税は7月1日ごろ通達があり、冬の固定資産税は12月1日ごろに通達があります。

年に2回あると聞き、てっきり各請求が半年分をカバーしているのかと思いきや、どうもそうではなく、区分が違う1年分の税金が、それぞれ夏と冬に請求されているということでした。

つまり「1年分を2回に分けて払う」のではなく、中身の違う税金が2本立てで走っているわけです。ここを勘違いすると、冬の請求書が来たときに「え、まだ払うの?」となります。私はなりました。

夏のタックスと冬のタックス、何が違う?

まず見て驚いたのは金額の違い…。

夏のタックスは冬のタックスの何倍にもなっているかと思います。

この金額の違いについて、少し調べてみると、夏と冬のタックスでカバーしている範囲が違うことから、金額に差が出ているとのことでした。

しかも住んでいる地域によって、配分が違うとのこと。

分かりやすい例が、州の教育税(State Education Tax、略してSET)。州全体で一律6ミル(ミルの説明は後ほど)かかる税金で、これは夏に徴収されると州のサイトに明記されています。学校関係の大きな税が夏側に寄っているぶん、夏の請求書は重い。

ただし、何が夏に入り、何が冬に入るかを決めているのは市や町(city / township)です。同じ州でも、市や町が変われば内訳はそろいません。自分の家の内訳を知りたければ、請求書に印刷されたミレージの明細を1行ずつ追うのがいちばん早いです。

住宅ローンを利用している場合は分割払いも可

厳密には分割払いではないのですが、住宅ローンを利用している場合は、escrow(エスクロー)という第三者機関へローンを支払っているかと思います。

そのescrowが、固定資産税も合わせて1月ごとに徴収してくれている場合は、実質”分割”払いになっているのです。

ただ、一括で家を購入した場合は、escrowを通していないかと思うので、固定資産税の請求も一気にきます。

エスクローに任せていると、税金を払っている感覚はほとんどなくなります。ただ、積み立てているのはあくまで見込み額。税額が上がれば月々の積立額も見直されるので、翌年の支払額が変わることは頭に入れておいたほうがよさそうです。特に、次に書くアンキャップと重なる年は、です。

そもそも、何に対して課税されているのか

請求書には見慣れない単語が並びます。順番に整理しておくと、あとの手続きの意味も分かるようになりました。

  • True Cash Value:おおむね市場価値
  • SEV(State Equalized Value):その半分。ミシガン税務裁判所(Tax Tribunal)の用語集では「true cash valueの2分の1」と定義されています
  • Taxable Value(課税標準):実際に税額の計算に使われる値。SEVとは別物
  • ミレージ(millage / mill):税率。1ミル=課税標準1,000ドルにつき1ドル

税額はざっくり「Taxable Value × 総ミレージ ÷ 1000」で決まります。家の購入価格そのものに課税されるわけではない、というのが最初のポイントです。

そしてもうひとつ。Taxable ValueはSEVより低いことが多いということ。ミシガンには1994年のProposal Aという制度があり、課税標準の年間上昇率がインフレ率か5%のどちらか低い方に抑えられているためです。長く住んでいる家ほど、市場価値と課税標準の差は開いていきます。

参考までに、2026年の課税標準の計算に使うインフレ率乗数は1.027(2.7%)と州税務委員会(State Tax Commission)が公示しています。市場価値がそれ以上に上がった年でも、課税標準は2.7%までしか伸びない、ということです。

住んでいる側からすると、これはかなりありがたい仕組みです。ただし、家が売られた瞬間にリセットされるのにも注意が必要。それぞれの家の固定資産税がいくらなのかは調べれば出てきますが、その同じ家を買ったからと言って、税金も同じぐらいかかることになるとは限らないのは、注意が必要です。

買った翌年に来る「アンキャップ」

ここがミシガンで家を買うときの、いちばん大きな落とし穴だと思っています。

所有権が移転すると、その翌年に課税標準の上限が外れ、Taxable ValueはSEVと同じ額まで引き上げられます。州のサイトにも「所有権移転があった年の翌暦年に課税標準がuncapする」と書かれている。これがアンキャップ(uncapping)です。

何が起きるか。前の持ち主が20年住んでいた家なら、その人のTaxable Valueは市場価値からかけ離れて低い。そこに自分が入ると、いきなりSEV水準まで飛びます。

だから、内覧のときに不動産サイトに出ている「年間の固定資産税」は、自分が払う額ではありません。それは売り主の数字です。買う前に自分の負担を知りたいなら、SEVをもとに計算し直す必要があります。州のサイトにProperty Tax Estimatorと市町村別のミレージ一覧が公開されているので、そこに数字を入れるのが確実です。

ちなみにミシガンの持ち家にかかる実効税率は、Tax Foundationの2026年版データで1.19%。率そのものが突出しているわけではありません。効いてくるのは率より、アンキャップで一段飛ぶタイミングのほうだと思います。

入居したら早めに出しておきたい書類

引っ越しのバタバタで後回しにしがちですが、期限のある紙が2枚あります。

1枚目はPRE(Principal Residence Exemption)の申請、Form 2368。 自分が住む家であれば、学校運営税のうち最大18ミルが免除されます。18ミルは総ミレージのなかでもかなり大きい部分なので、出す・出さないで請求額がまるで変わります。

期限は年2回。6月1日までに出せばその年の夏の請求から、6月2日から11月1日までに出せば冬の請求から効きます。州の公式ガイドラインに明記されているので、クロージングの日付から逆算しておくと安心。

2枚目はProperty Transfer Affidavit、Form 2766(L-4260)。 所有権が移ったことを市や町のアセッサーに届け出る書類です。期限は移転から45日以内。主たる住居なら、遅れると1日5ドル、上限200ドルの過料がかかります。金額そのものは大きくありません。ただ、届け出が遅れると本来課されるはずだった税金と利息をさかのぼって請求される、という条文もあるので、放置していい種類の紙ではないのです。

クロージングの場で書類をまとめて渡された場合でも、「やってくれているはず」で終わらせないほうが安心です。受理されたかどうかを市役所・町役場に一本確認しておく。面倒ですが、期限のある紙なので。

払い忘れたときと、高すぎると思ったとき

期限を過ぎた場合の扱いは、日本よりだいぶ厳しめです。

未納のまま3月1日を迎えると、税金は市や町の手を離れて郡(county)の財務担当に移ります。この時点で4%の事務手数料と、月1%の利息が乗る。1年経つと利息は月1.5%に上がり、175ドルの費用が追加され、3年目には裁判所の差し押さえ判決を経て公売にかけられます。

エスクローで払っている人はまず心配ないはずですが、一括購入した場合は自分で期日を管理することになります。ローンを借り換えたときも、エスクローが引き継がれているかは確認しておきたいところ。

逆に、評価額そのものが高すぎると感じたときは、異議を申し立てられます。アセッサーから評価通知(Notice of Assessment)が届いたら、まず3月のBoard of Review(審査委員会)へ。ここを通さないと次に進めません。それでも納得がいかなければ、住宅の場合は7月31日までにMichigan Tax Tribunalへ申し立てる、という流れです。2026年のBoard of Reviewは3月9日(3月の第2月曜)に招集されると州が公示していますが、実際の受付日程は市や町ごとに違います。通知が来たらその足で日程を確認しておくのが確実。

なお、州の所得税側にはHomestead Property Tax Credit(MI-1040CR)という固定資産税の税額控除もあります。所得などの条件が毎年決まるので、対象になりそうなら、その年の条件を確認してみてください。

まとめ

ミシガンの固定資産税で、私が最初に知っておきたかったことを並べておきます。

  • 夏と冬の請求は、半年分ずつではなく中身の違う1年分が2本
  • 課税の元になるのはSEVでもなく購入価格でもなく、Taxable Value
  • 売り主の税額は参考にならない。買った翌年にアンキャップで跳ねる
  • 入居後はForm 2368(PRE、18ミル免除)とForm 2766(45日以内)
  • 未納は3月1日から一気に重くなる

制度の細かい部分は市や町によって違います。請求書を1枚手元に置いて、分からない行があったら市役所・町役場のTreasurer(会計課)に聞いてしまうのが、結局いちばん早いかと思います。自分の請求書を見ながら話せるので、こちらも説明が楽です。

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出典(2026年8月調査時点。制度・数値は変更される場合があります):ミシガン州税務局 Principal Residence ExemptionPRE申請期限(Claim Requirement)State Education Tax FAQChanges in Ownership and Uncapping of PropertyProperty Tax EstimatorBoard of Review関連フォーム/Form 2766(L-4260)Property Transfer Affidavit、ミシガン州税務委員会 Bulletin 14 of 2025(2026年インフレ率乗数)・Bulletin 10 of 2025(2026年の異議申立手続)・Bulletin 11 of 2025(2026年 固定資産税カレンダー)、ミシガン税務裁判所 Glossary of TermsTax Foundation「Michigan Tax Rates & Rankings」Livingston County Treasurer「Delinquent Taxes」

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